止血・癒着防止用外科手術装置 |
開発の背景と目的 |
術後の臓器癒着は、腸閉塞(イレウス)や疼痛、不妊などの合併症など様々な問題を引き起こす恐れがあります。特に産婦人科領域での癒着の問題は深刻であり、主要な産婦人科手術の約90%で癒着が起こるといわれています。その後遺症は、患者のQOL(Quality
of Life)を著しく低下するだけでなく、不妊症の原因となることから、癒着防止材の必要性は高まっています。
また、手術中の出血および穿孔等の臓器への損傷は癒着を起こさないように処置することが望ましく、現状では癒着防止・止血・シーリングの処置をそれぞれ異なった医療機器を用いています。本来、@癒着の原因として手術中の出血による体内への血液の貯留が考えられており、止血と癒着防止は同時に処置される必要がある、A臓器の穿孔等では治癒過程で癒着が発生するため、シーリング処置を行うと同時に癒着防止の処置を行う必要がある、B臓器の穿孔等の損傷には必ず出血を伴うため、シーリングと同時に止血を行う必要があるという理由から、癒着、出血および穿孔等の臓器への損傷は、一度に処置できることが望まれています(下図「癒着防止・止血・シーリングの概念」参照)。本装置は、癒着防止に加え止血効果およびシーリング効果を持つ新しいバイオサージェリー技術を有しており、内視鏡手術にも使用できる装置として開発に着手しました。 |
癒着防止・止血・シーリングの概念 |
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